雨上がりの夕空に弧を描くのは

会社から一歩外へ出ると、にわか雨が上がった後の蒸し暑い空気がどっと襲いかかるようでした。

なんだかとっても疲れたわー。
うつむきがちによろよろ坂道を登る途中、ふと目を上げると――

虹だ！

心と体を覆っていた疲労が吹っ飛んで、胸の奥がわくわくして、引きずっていた足が一瞬で軽やかになるのが分りました。

数少ない通行人は誰も虹に気づいていない様子。
「虹が出てますよ！」って、言えば良かったかな～。
不審人物っぽいので言えませんでした。

写メを取ってみましたが、ほとんどわかりませんね～。
みなさんに幸せのおすそわけしたかった。残念。


















つーさん、つーさん！虹が出てましたよ！
虹なんて、何年ぶりに見ただろう～♪













つーさん「虹って、おいしいのっ？！」



……食べ物じゃありませんから。


つーさん「じゃ、用はない」
















ちぇっ。リアリストの白猫め。

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